第27話 日本画家へのコメント

絵とは、その時代を生きる人々の潜在欲求を先取りして未来を暗示し、表現されるものだと思う。

一つの時代は必ず頂点まで進化し、やがて衰退しながら次の時代を模索し、新たな進化の道を歩き始める。

絵は、その先駆けをつとめる。

地球人類の長い進化の歴史の流れを受け継いだ現代は、第二次世界大戦後、イギリス文明が衰退し、代わってアメリカが世界をリードして来たが、そのアメリカも衰退の道を歩み始めた。そして今や世界文明進化の流れは、アジアの天空に輝き始めたのだ。

中でも日本はその先兵となり、新しい世界文明の担い手として、全人類進化の要望を全身に感じ始める時代に来た。

しかし、絵には今割目に値するものが現れず、太平の世に甘んじたままだ。

そこで、日本文明独自の進化の歴史を俯瞰すると、ようやく国家らしくなって来た中世以後の文明進化には独自の法則が存在していた。

それは、その時代の全能力を結集し、「都」を造営し、その土地、風土のエネルギーを取り入れ、国を富ませ、文化を生み育て進化させて来ると、年月と共にその土地風土のエネルギーが衰えてきて新たな土地風土を探し求め、「都」を移しかえ文明進化発展を遂げて来た実績がある。

日本最初の「都」は古代の奈良に築かれ奈良文化を完成させ、以後の日本文明の進化発展の先駆けを務めた。やがて頂点を極め、衰退して来ると、京都に遷都され、それも土地、風土のエネルギーを使い果たし衰退して来ると、鎌倉に移り、そして又、京都へともどり、最後は江戸、東京に遷都されながら、日本文明千三百年の進化発展で現在に至っている。

その東京も江戸期から四百年の歴史を刻み、開発され発展して来たが、長い年月の中で、風土、大地のエネルギーも消滅し、進化の余地も失せてきているのが現状だ。

この流れの中で今、世界文明の期待を全身に浴びて来ている日本は、世界で唯一遷都による文明進化発展の実績国としての責任を真剣に受け止め行動すべき歴史的時代に来ている。

(感性論哲学者 芳村思風遷都論より)

 

さて、新しい文明、文化発展の先駆けは、文字より絵である。

絵は趣味として画いているだけでは、歴史の進化発展に応える潜在能力は生まれない。

潜在能力を生むためには、己の画境に歴史の要望と責任を感じ取り、生活をかけ、悩み苦しみ、現実の修羅場を体験し、今を切り開く使命に目覚め、この一瞬に命を輝ける画家に昇華することである。

命をかけるとは、命より大切なものに目覚めたその画家だけに与えられる人類オンリーワンの画境を持った、画家の誕生であり、己の天分を知り、天命に生きる画家になれるのだ。

今こそ、ピカソの具象画家から抽象画家への変身を超越して、数千年、数百年に一度の歴史的地球大激変が一挙に重なり襲って来ている今現在、我が地球文明進化の先兵を自覚し活躍される画家の出現を切に願うものである。

平成26年5月吉日

     プロ街頭紙芝居師  杉 浦    貞

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